壺坂酒造の人気銘酒「金壺」
一口に「金壺」といっても「しぼりたて」「にごり酒」「本醸造」「佳撰」と様々なシリーズがあり、風味や美味しい飲み方も変わってきます。
こちらの記事では、日本酒の種類を解説していきながら、「金壺」シリーズのそれぞれが持つ特徴も紹介していきます。
●しぼりたて 金壺(生酒)
日本酒は通常、貯蔵前と出荷前の計2回の火入れ(加熱処理)を行います。火入れすることによって殺菌処理の効果があり、品質と味が安定するのです。
一方の「生酒」は、火入れを行わずに出荷したお酒になります。
加熱処理が行われたお酒とは一味違った、もぎたての果物ようなフレッシュな風味を楽しむことができるのです。
ただ、生酒はお酒の中に酵素が生きていますので、味や品質は変化しやすく、冷蔵保存と開封後は早めに飲みきることが必要となってきます。

「しぼりたて 金壺」は、四段仕込みと呼ばれる特殊な製法で造られた、「コク」と「とろみ」が特徴です。
味はやや甘口で、冷やして飲む「冷酒」がオススメの飲み方になります。
●にごり酒 金壺
日本酒は、米、麹をアルコール発酵させて醪(もろみ)を作ります。そして、ドロドロの醪を酒袋に入れて液体を抽出し、さらにろ過することによって無色透明のお酒を作り上げるのです。
しかし、にごり酒では、醪から液体を抽出する際に粗いフィルターを用いて、あえて液体に澱(おり)を残します。澱があることにより、見た目が白く濁ったお酒になるのです。
澱は元をたどればお米ですよね。
にごり酒は、澱が残っていることによって、お米本来の甘みと旨味を楽しむことができるのです。
「にごり酒 金壺」は「新鮮なバナナのような甘い香り」とも形容される、甘いフルーティーな風味が特徴です。
また、火入れを行わない生酒になりますので、お酒の中に酵母が生きています。
残された酵母が発酵することによって気泡が生まれ、日本酒であるにもかかわらず、まるで炭酸飲料を飲んでいるかのような爽快感も楽しめるのです。
にごり酒は加熱処理されていませんので、冷蔵保存と早めに飲みきることが必要で、「冷酒」がオススメの飲み方となります。
●本醸造 金壺
本醸造酒は、精米歩合が70%以下のお米を使用して造られたお酒になります。
精米歩合とは、玄米の状態からどれくらい表層を磨いているかを表しています。本醸造の場合は、表層から約30%削ったお米を使用しているということです。(ちなみに食用の白米の精米歩合は90%、吟醸酒は60%以下です。)
お米の表面が残っているほど、米の旨味やコクが残る、どっしりとした味わいになります。
「本醸造 金壺」は、キレのあるやや甘口のお酒となり、常温から、ぬる燗、熱燗がオススメの飲み方となります。
●佳撰 金壺
佳撰とは、日本酒の級別制度の名残です。
「特撰」「上撰」「佳撰」との区分があり、佳撰ということは「庶民的でリーズナブルなお酒」ということになります。
「佳撰 金壺」も他の金壺シリーズと比較してもお手軽な値段で、気楽に毎晩の晩酌として購入することができます。
辛口で、香りは控えめにしてありますので、毎晩飲んでも飽きないお酒に仕上げられています。
飲み方は常温、ぬる燗、熱燗がおすすめです。