「山田錦」という言葉は、日本酒が好きな方なら一度は目にしたことがあると思います。
ただ、「山田錦とは一体何なのか?」までは、あまり知られていないのではないでしょうか?
こちらの記事では、壺坂酒造の「金壺」にも使用されている「山田錦」についてまとめています。
●山田錦とは酒米のこと
日本酒のラベルでよく目にする「山田錦」
「山田錦」とは「酒米」の種類になります。酒米とは、日本酒を醸造する際の原料、主に麹米として使われるお米のことです。
特に、山田錦は「酒米の王」とも呼ばれるほど、大変品質の高いものとなっているのです
●山田錦は兵庫県生まれ
日本酒の生産量が日本一の都道府県をご存知でしょうか?
お米で有名な新潟県を思い浮かべる方も多いでしょうが、1位は兵庫県になります。しかも、2018年の生産量は約11万リットルと、約69000リットルで2位となっている京都府に大きな差をつけています。
実に、全国の日本酒の約4分の1が兵庫県で製造されているのです。
兵庫県は、六甲山地を源流とする質の良い水源と、「六甲おろし」と呼ばれる寒風が非常に酒造りに適した土地となっているのです。
「山田錦」は、日本酒の産地として栄えている兵庫県で、約80年前に誕生しました。
そんな日本酒と合うあてと一緒に楽しんでみたいものですね。
●山田錦の特徴
山田錦には以下のような特徴があります。
・心白の大きさが、酒造にちょうど良い
・断面の形が線状に近いので、高精米にも耐えらえる
・デンプンの特性が優れており、吸水性、消化性が高い
・雑味になりやすいたんぱく質の量が少ない
これらの特徴によって、米粒にこうじ菌が繁殖しやすく、質の良い麹が出来上がるのです。
100種類以上生産されている酒造好適米の中でも、酒米として優れた性質を持っている山田錦は全体の4割以上の生産量を誇っています。
最高の品質と、シェアの広さが、山田錦が「酒米の王」と呼ばれる所以でもあるのです。
山田錦は日本各地で生産されていますが、最も質が高い「特上」の等級を持つものは、兵庫県のみで生産されています。
●山田錦から造られる銘酒
「山田錦」を使用した銘酒で、日常でもよく目にするものは「月桂冠 山田錦純米パック」「沢の鶴 山田錦 純米酒」「白鶴 特選特別純米酒山田錦」などがあります。
これらはスーパーにも置いてあり、お手軽な値段で購入できますよね。
その他、上質で高級なものになりますと「上喜元 純米大吟醸 山田錦」や「越乃雪椿 純米大吟醸 得A山田錦」といった銘柄も有名どころです。
ここでは全てをあげることはできませんが、山田錦は「金壺」だけではなく、多くの銘酒に使用されているのです。
●「金壺」は日本酒の聖地で生産されている
「良い酒米が良い酒を造る」と言われていますが、まさに山田錦は最高品質の酒米です。
また、壺坂酒造が酒蔵を持つ兵庫県は、水源、気候の点でも、日本酒造りには非常に適した土地となっています。
「金壺」は日本酒の聖地で造られた、大変質の高いお酒となるのですね。